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六人の超音波科学者

六人の超音波科学者は、森博嗣のVシリーズの、第7弾。
ノベルスは既に10巻まで出ていて完結しているのだけど、文庫で読んでいるため、まだまだ終わってないのだ。

S&Mもそうだけど、シリーズも後半になってくると、事件そのものよりも、登場人物同士の関係に重点が置かれてくるような気がする。謎解きはどうでもいい、とまでは言わないけど。
事件自体も、うーん、どうなんだろう。元々この手のミステリは、無理矢理密室やら陸の孤島を作り出すもんだし、「あり得ない」という批判は、筋違いとも思う。ただ、現実離れもほどがあるっていうか、楽しめる域を超えかけてるっていうか、愛読者以外は受け付けない設定になりつつある…、という気がしないでもない。
もちろん私は愛読者なので、十分楽しめたんだけど。

というわけで、肝心の謎解き部分は置いといて。

登場人物といえば、紅子と七夏の鞘当てが、今回もエスカレート。
普通かなりドロドロしそうな関係なのに、この二人がどんなに憎み合おうが言い合おうが、さほど不快感を感じない。ギリギリのところで理性を保っているからともいえるのだけど、だからといって、人間味がないわけではない。
普通に考えればどうしたって酷いヤツのはずの林も、何て言うか、淡々としすぎているせいか、かえって憎めない。登場人物達からも「酷い人」っていう扱いは受けてないように思う。
この辺のキャラ設定は本当に絶妙だ。

最後に、この事件に練無が巻き込まれる遠因となった話は、Vシリーズが始まる前(多分)に刊行された短編集、地球儀のスライスに収録(気さくなお人形、19歳)。練無の一人称という本編とは違った形式で、紫子以外は、阿漕荘メンバーも出てこないけど(保呂草は名前だけ出てくる)、これはこれで味があってお勧め。れんちゃんがれんちゃんらしい、お話です。

森 博嗣: 六人の超音波科学者
森 博嗣: 六人の超音波科学者

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