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たき火オヤジのらしいSF

椎名誠って、どうなんだろう? つまり、一般的なイメージということだけど。

南の島でたき火してビール呑んで、魚をわしわし食う。というのがまず思い浮かぶ。それから本の雑誌の人。活字中毒で、本に詳しくて。映画など他分野も手がけてたり、自らもメディアに結構出てる。そして最後に、小説家。代表作って何だろう? Amazonで売れてる順に並べると岳物語が来るから、やっぱそれかな。でもそれより、呑んで食ってるエッセイの方が印象深い。

という、あまり小説のイメージはない作者だと思うが、このアド・バードは出た当時、椎名誠初のSFとして話題になった気がする。日本SF大賞受賞作らしい。椎名誠、本の雑誌でもよくSFについて語ってるし、帯の推薦の言葉なんてのもよく見るように思うので、凄く好きなんだろう。

さてこの小説の舞台は、いつどこだかわからないけど、現在の地球でも日本でもない場所。マサルと菊丸という兄弟が、父親探しの旅にでる。鍵になっているのは「広告」。ただし、ほぼ最後までどういう状況なのか、詳しいことは明かされない。というか、最後になっても、結局よくわからないままなことも、多いんだけど。特徴的なのは、謎の攻撃を繰り出す謎の生物達。深刻な状況のはずなんだけど、椎名誠独特の擬音語が駆使されてるので、結構滑稽な映像が思い浮かべられる。モデルになっているであろう動物も想像できて、それが間抜けだったりもするし。この広告が支配する世界と生物達の描写は楽しめる。

話自体は、個人的には可もなく不可もなく、というところ。SFに詳しくないのだけど、所々過去のSFの名作の暗喩のような箇所もあるようで、好きな人はそれも楽しめると思うけど。事実、解説によればブライアン・オールディス地球の長い午後に対するオマージュとある。ただ、椎名誠の他のSF作品を読もうという気にはならなかった。

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